iOS 15リリースとマーケティングへの影響
Tiahn Wetzler, Director, Content & Insights, Adjust, 2021年10月01日.
Appleの最新OSアップデートiOS 15が9月20日(米現地時間)、全世界に向けてリリースされました。今回のロールアウトは、昨年9月のiOS 14リリースや今年4月のiOS 14.5ほど衝撃的ではなかったものの、マーケターや開発者、広告主なら把握しておきたい変更点とアップデートがあります。Appleがユーザープライバシーとデータ保護を強化する中、モバイルマーケティングや広告業界もそのアプローチに対応するかたちをとっています。Adjustは常にAppleと連携し、ユーザーが自分のデータをコントロールできるソリューションを提供して参ります。
SKAdNetworkポストバックの仕組みのアップデートや「メールプライバシー保護」などの一部の新機能は、iOS 15のリリース後すぐに公開されます。その他の機能(「アプリケーションのプライバシーレポート」やiCloudプライベートリレーなど)は、今後のバージョンにおいてリリースされる予定です。
主な機能とアップデート
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SKAdNetworkで取得したポストバックのコピー
アプリ開発者は、SKAdNetworkで取得したポストバックのコピーを受信するエンドポイントを定義できるようになります。これまでは、ポストバックはアドネットワークに送信され、その後アドネットワークが開発者にポストバックを転送していました。今回導入された新しいプロセスにより、広告主は透明性のあるデータを入手でき、インストールからインストール後までのデータを得られることができます。
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メールプライバシー保護
ユーザーがiOS 15にアップデートすると、AppleのMailアプリを起動した時にプロンプトが表示され、新しいデータ共有設定オプションが提示されます。ここで最も重要な変更点は、ユーザーが自分のIPアドレスと位置情報を非表示にし、メールの開封のトラッキングを匿名化できることです。ユーザーがこれらのオプションをオンにした場合、マーケターはメールキャンペーンの開封率などの指標を確認できなくなります。また、サードパーティのトラッカーもIPアドレスにアクセスできなくなります。そのため、モバイルマーケターのメールキャンペーンの可視性が損なわれ、戦略を再検討する必要性が生じます。
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「メールを非公開」機能
iCloud+のサブスクリプションの一環として提供される「メールを非公開」機能を使用すると、iOSユーザーはオンラインフォームの入力時にランダムに自動生成されるアドレスで、自分のメールアドレスを非表示にし、マスクすることができるようになります。それらのアドレスに送信されるメールは、その後正当なメールアドレスに転送されます。この機能は、ストア、ニュースレター、または購入でのサインアップでメールアドレスが必要な場合に最も多く使用されると予測されており、ユーザーをスパムから保護し、メールをデータベースに保存することを目的としています。ユーザーがメールの受信を止めたくなった場合は、特定のサインアップ用に作成されたマスクアドレスを削除するだけで解除できます。
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アプリケーションのプライバシーレポート
後のiOS 15バージョンでのリリースが予定されている「アプリケーションのプライバシーレポート」では、ユーザーはデバイスにインストールされている特定のアプリからのネットワークアクティビティを一度に最長7日間記録できます。このレポートは、インストールされたアプリが最も頻繁にアクセスするサードパーティドメインに関する情報についてもユーザーに提供します。この対策として、ユーザーに対するコミュニケーション戦略を立て、モバイル計測プロバイダー、サードパーティツール、CMSなどとのコミュニケーションプロセスを明確にすることをおすすめします。
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iCloud Private RelayとIPアドレスのブロック
「プライベートリレー」は、iCloud+のサブスクリプションに契約したユーザーが利用できる機能です。後のiOS 15バージョンでのリリースが予定されており、iOS 15のローンチ時は公開ベータ版となります。iOSデバイスからAppleサーバーを介して特定のタイプのネットワークトラフィックをリダイレクトすることでユーザーのプライバシーを強化する設計で、ユーザーの実際のIPアドレスを非表示にし、代替の位置情報に基づいて偽のIPアドレスでマスクします。つまり、広告主は今後ユーザーのIPアドレスや位置情報を確認したり、閲覧履歴を使用してユーザープロファイルを作成したりできなくなります。
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カスタムプロダクトページ
このブログで解説したように、プロダクトページの最適化とカスタムプロダクトページにより、マーケターと開発者はApp Storeでよりユーザーとの関連性の高いカスタムページを作成できるようになります。こうしたページは、最大35の特定のターゲットオーディエンス向けに作成が可能です。個々のキャンペーンにリンクして、iOSでの有料広告UA戦略の改善・構築に使用するための新たなレベルのパーソナライゼーションを実現します。
iOS 15に関する詳細やAdjustを使ってiOSで広告マーケティングを最大限活用する方法、または今後予定されている変更やリリースの最新情報については、リソースセンターをご覧ください。
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